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執筆者の写真事務局 CRS-R

最小意識状態から回復した患者における認知障害、臨床症状、および機能的障害

更新日:10月25日




本論文のまとめ

最小意識状態 (MCS) から回復する患者は、記憶力低下や注意力欠如、混乱、強い機能的障害を示すが、その神経行動学的な特徴は十分に明らかにされていない。本研究は、外傷性および非外傷性脳損傷を患った患者における認知障害の程度、臨床症状の有無、および機能的障害を調査した。


背景

脳損傷後に意識障害が続き、回復過程で最小意識状態 (MCS) からの回復がみられる患者は、混乱や認知障害を伴うが、その詳細なプロファイルは十分に研究されていない。この研究は、特に回復の初期段階での認知機能や行動の調査に焦点を当てている。


方法

169人の成人患者を対象に、後方視的観察研究が実施された。参加者は全員が入院中に最小意識状態 (MCS) から回復し、評価は主にComa Recovery Scale-Revised (CRS-R) を使用して行われた。混乱評価にはConfusion Assessment Protocol (CAP) が使用され、障害評価にはDisability Rating Scale (DRS) が用いられた。


結果

CAP評価は54名の患者に試みられ、そのうち28名が有効なスコアを得た。患者の93%が急性混乱状態 (ACS) に一致し、最も一般的な症状は認知障害 (98%)、混乱 (93%)、および興奮 (69%) であった。MCSから回復した時点でのDRSスコアの中央値は14.5で、重度の障害を示した。


考察

MCSから回復する患者は、急性混乱状態と重度の機能的障害を示す。この研究は、混乱の下限を明確にし、治療および介護者教育のアプローチに役立つ可能性がある。


従来の研究と比べた新規性

本研究は、最小意識状態から回復する患者の急性混乱状態に焦点を当て、認知障害や行動調整の難しさを明確にした点で新規性がある。


限界

CAPデータが全患者から取得できなかったため、特定の患者群の分析が限定された可能性がある。


応用可能性

本研究の結果は、脳損傷からの回復をサポートするためのリハビリテーションプログラムや、介護者に対する教育に役立つと考えられる。


出典


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