top of page

Coma(昏睡)の定義

  • 執筆者の写真: 事務局 CRS-R
    事務局 CRS-R
  • 5月25日
  • 読了時間: 2分

「Curing Coma Campaign国際的な昏睡疫学、評価、治療に関する調査(COME TOGETHER)」では、専門家パネルによって定義された昏睡の定義について、昏睡及び意識障害の患者に関わる医療従事者を対象として主要特徴の合意を評価することを目的に実施された。


詳細な結果については、本文を参照していただきたいが、ここでは専門家パネルが提唱した昏睡の定義を紹介に主眼を置く。


昏睡とは、「自発的または刺激によって誘発される持続的な覚醒・覚醒状態(arousal/wakefulness)が認められない状態」と定義される。


昏睡の診断を確立するためには、臨床診察において以下のすべての基準を満たす必要がある。


専門家コンセンサスによる昏睡(Coma)の定義

  1. 命令に従う反応がないこと

  2. 理解可能な発語または認識可能なジェスチャーがないこと。

  3. 随意運動がないこと(除脳硬直または除皮質硬直、疼痛刺激からの逃避反応、三重屈曲反応などの反射運動は認められる場合がある)。

  4. 視覚追従、注視、刺激に対するサッカード、または命令による開眼・閉眼が認められないこと。

  5. 上記の基準が、筋弛緩薬の使用、鎮静薬の投与中、あるいは他の神経学的または精神医学的疾患(例:閉じ込め症候群[locked-in syndrome]、神経筋疾患、緊張病、無動性無言、abulia、転換性障害)によるものではないこと。

  6. 電気生理学的検査または機能画像検査が利用可能な場合、それらに基づいて認知運動乖離(cognitive motor dissociation:隠れた命令追従能力)が存在しないこと。


意識障害患者の診療に関わる医療従事者を対象としたアンケート調査では、昏睡の全体的な定義に対して、「同意」は64%、「中立」は8%、「反対」は28%であった。



専門家パネルの定義と回答者の間には、認識に大きな差がみられた。特に、回答者の64%は専門家パネルの定義に含まれていない「GCSスコア≤8(研究や臨床目的で昏睡を定義する際によく使われる)」が昏睡の診断に必要な要素であると回答した。実際には、GCS<8の患者の中には最小意識状態(MCS)や無反応覚醒症候群(VS/UWS)の患者が含まれる可能性がある。


昏睡の定義のうち、1-4はComa Recovery Scale -Revised(CRS-R)によって確認可能である。5については、意識障害を評価する前の確認事項である。

最も確認が難しいのは6の認知運動解離(CMD)である。CMDの評価にはFunctional MRIや脳波検査が用いられるが、利用可能な施設が少ないことが課題である。


Helbok R, Rass V, Beghi E, Bodien YG, Citerio G, Giacino JT, Kondziella D, Mayer SA, Menon D, Sharshar T, Stevens RD, Ulmer H, Venkatasubba Rao CP, Vespa P, McNett M, Frontera J; Curing Coma Campaign and its Contributing Members. The Curing Coma Campaign International Survey on Coma Epidemiology, Evaluation, and Therapy (COME TOGETHER). Neurocrit Care. 2022 Aug;37(1):47-59. doi: 10.1007/s12028-021-01425-8. Epub 2022 Feb 9. PMID: 35141860; PMCID: PMC9283177.

 
 
 

コメント


CRS-R研究会事務局

​​場所:浜松医療センターリハビリテーション科 

   CRS-R研究会 事務局

住所:〒432-8580 静岡県浜松市中央区富塚町328

メールアドレス:coma.recovery.scale@gmail.com

bottom of page